就活と安寧(2)
言ってしまえば、就活は合コンなんだと思う。
複数人の人間が集まったとき、男は可愛い女の子がいないかを確認する。必ずだ。
運良く同じ班になれば、男はいっそう張り切ることだろう。
今日は、インターンで不動産の査定の体験をしたのだけれど、そのワークの後で同じ班の男がおれに言った。
「隣の班の左側の女の子、可愛くね?」
実際おれも同じことを思っていた。
が、名目上「不動産じゃなくて女の子を査定するのをやめろ」と返しておく。
どうでもいいけど可愛い子は隣の班だけでなく、2つ隣の班にもいたことはしっかりと確認済みだ。
とにかく、男なんてそんなものである。
隣の芝生は青い、と言われるように、大抵隣の班の女の子が可愛く見える。
これはまた別の会社のスタートアップセミナーでの話だが、こちらでも隣の班の女の子が可愛かった。
なんでだよおおおおおお!
と、多分誰もが思っている。
さて、今日行ったインターンでは、女の子の査定の他にも、自己分析なるものを実施した。
正直、今更自分のことを知りたいとは思わないし、さほど興味もない。
自分が何者かで悩む年齢でもないからねえ。
でもまあ、やってみると案外面白いもので、「あまり目立った個性をもっていないように見えることが多いといえます」なんて診断結果を貰えたりする。
何が面白いんだよ。帰りたい。
いやね、うん。没個性的なのは目指すとこではあるのよ。
あんまし尖ったキャラになりたくないし、オールラウンダー的な何かの方が順応性高そうだし、人畜無害感あるし、いいんだけどさ。
「あなたに強みはありません!」
ってハッキリ言われるのも違うと思うんだよね。
仕方ないけどさあ。
ああ、あと、グループメンバーからの評価みたいなのも貰ったんだ。
一日一緒に過ごした班員がどんなタイプか言い合うの。
15個の性格リストがあって、その中から3つ選んであげる。
たとえばおれが自分についてやったら、「楽観的」「堅実」「几帳面」になった。
で、班員がおれについて選んだものは、「丁寧」「きめ細やか」が3票ずつ、「堅実」「ユーモアに富む」「社交的」が2票ずつ、といった具合だった。
ん???
社交的???
どうやら、おれは嘘をつくのが上手いらしい。
確かに、一日くらいならスイッチは保つ。
でもおれと長い付き合いをしてる友人は、絶対におれを「社交的」だとは言わないだろう。
やはり、就活は嘘とハッタリで成り立っている。
思えば、合コンも嘘とハッタリでできている。
就活は合コンだと書いたこと、撤回しなくてよさそうだ。