とらの徒然

ネコ科のペンギン

小説

お題『きみに恋したあの日から』ver.2

お題『きみに恋したあの日から』 条件[今日はいつもと違う匂いがするね/俺なら泣かせたりしないのに、なんて言えないけど/馬鹿だな、ってわらってくれたら]また例の企画です。なんとか条件をクリアします。 「今日はいつもと違う匂いがするね」 彼女の背を指…

お題『きみに恋したあの日から』ver.1

お題『きみに恋したあの日から』 条件[不安にさせないで/絶対に落としてみせる/どう足掻いても、結末は変わらないの] ランダムで選ばれた文字列を使って小説を書く企画です。素人なんで大目に見てください。 「あなたが誠実な人だってことはわかってるの。そ…

花摘

「カァ」 一つ、鳴き真似をしようとしたけれど、どうにも声が出なかった。 そんな声を上げたところで何かが変わるわけではない。 そもそも上げる声としてアレが妥当なものなのかもわからない。 僕が上げようとしたのはあくまで鳴き”真似”だ。 僕の声じゃない…

Re:乙姫 後編

善は急げ、という言葉がある。 「おぅるゎァァァアアアアア!」 結果、こうして既に戦いは始まっている。 スマホを持たぬイヌに協力を仰ぐべく、海辺を去った桃太郎と浦島太郎だったが、相手が戦力を揃える前に攻撃を始めた方がよいのではないか、という結論…

Re:乙姫 前編

むかしむかし、あるところに亀が住んでいました。 いいえ隠す必要もないでしょう。竜宮城に亀が住んでいました。 亀はいつものように山へ芝刈りにーーではなく川に選択にーーでもなく、言ってしまえばいつものようにでもなく、珍しく水面に顔を出すと、なん…