とらの徒然

ネコ科のペンギン

小説紹介(25冊)

① 砂漠(伊坂幸太郎)

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この一冊で世界が変わる、かもしれない。仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤(いそ)しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡で出来ていた――。 明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。

展開が面白いというより、描写や会話、そしてキャラクターが面白い。何気ない日常が連鎖する奇蹟は伊坂作品ならではの魅力。心地よい日常に浸り、永遠に読んでいたい。そんな作品。

 

[この本が気に入った人は是非!]<伊坂ワールド>

オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)

チルドレン(伊坂幸太郎) 

 

 

 

② リバース(湊かなえ)

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深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある”闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。

最後まで読むと絶対に鳥肌が立つ。おおおぉぉぉすげえ……。設定がよく練られており、完成度はかなりのもの。湊さんの緻密な心理描写も健在で、臨場感に満ちている。ネタバレをしたくないので詳しくは言えないが、とにかく、読んでみてほしい。話はそれからだ。

 

[この本が気に入った人は是非!]<どんでん返し系>

名も無き世界のエンドロール(行成薫)

AX(伊坂幸太郎) 

 

 

 

③ やめるときも、すこやかなるときも(窪美澄)

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大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。 欠けた心を抱えたふたりが出会い、お互いを知らないまま、少しずつ歩み寄っていく道のり。 変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。

 

徐々に距離を縮めていく二人の恋模様に、読者もつい心が弾んでしまう。ああ恋したいなあ。落ち着いた雰囲気の恋愛小説をお探しの人におすすめ。

 

[この本が気に入った人は是非!]<恋愛小説>

崩れる脳を抱きしめて(知念実希人)

じっと手を見る(窪美澄)

 

 

 

④ 君の膵臓をたべたい(住野よる)

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ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。読後、きっとこのタイトルに涙する。

いわゆる「青春小説」の代表的な作品。泣ける。悪いように言えば甘ったるさもある作品なので(青春小説はそういうものだが)、好みは分かれるかも。読みやすい文章で描かれているので気軽に読み始められるのも◎。終盤は涙を流しながら読んでください。

 

[この本が気に入った人は是非!]<青春小説>

桜のような僕の恋人(宇山佳佑)

生きてさえいれば(小坂流加)

 

 

 

ホワイトアウト(真保裕一)

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日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間! 荒れ狂う吹雪をついて、ひとりの男が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失で亡くした友の婚約者を救うために――。圧倒的な描写力、緊迫感あふれるストーリー展開で話題をさらった、アクション・サスペンスの最高峰。

手に汗握る逃走劇!臨場感あふれる雪景色の中、一人の男がテロリストに立ち向かう。読了後は諸手を挙げて主人公に拍手を送りたくなる。よくやった。あっぱれだ!読み始めたら止まらないので注意。

 

[この本が気に入った人は是非!]<サスペンス>

ダ・ヴィンチ・コード(ダン・ブラウン)

ゴールデンスランバー(伊坂幸太郎)

マリアビートル(伊坂幸太郎)

 

 

 

⑥ 告白(湊かなえ)

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「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!

とりあえず、第一章を読め。特に小説を普段読まない人におすすめ。小説の面白さに気づかせてくれる一品。そして、湊かなえさんにハマれ。

 

[この本が気に入った人は是非!]<視点循環系>

夜行観覧車(湊かなえ)

ナミヤ雑貨店の奇蹟(東野圭吾)

 

 

 

⑦ ボトルネック(米澤穂信)

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亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

氷菓』シリーズの米澤穂信さん。爽やかさを前面に押し出した紹介文だが、その実、中々に救いのない話である。だがそこがいい!虚ろな人生を送っている人におすすめ。ご都合展開にうんざりしている人にもおすすめできる。

 

[この本が気に入った人は是非!]<唖然系>

何者(朝井リョウ)

 

 

 

⑧ 名前探しの放課後(辻村深月)

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依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ1つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」2人はその「誰か」を探し始める。

辻村さんの作品は、何といってもテーマが重い。しかしそれでいてバッドエンドにはならないのが大きな魅力。読みやすくて気軽に手に取れて日常が舞台の小説が好きだけど、青春小説のように軽く甘酸っぱいものはちょっと……という方は辻村さんの作品を読むといい。

 

[この本が気に入った人は是非!]<辻村ワールド>

かがみの孤城(辻村深月)

朝が来る(辻村深月)

 

 

 

⑨ Red (島本理生)

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夫の両親と同居する塔子は、イケメンの夫と可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせてしまう。胸を突くような彼の問いかけに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのに――。

理解できないし、理解したくもない小説。ボロクソ言っているようだが、それほど強い感情を抱かせる作品は良作だと思う。不倫する女が主人公の、どろどろした話。思いだしただけで女へのヘイトが高まっていく感がある。

 

 

 

 

 

以上、計25冊の紹介でした!

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